減価償却期間により、新築物件と中古物件の年間の償却費は大きく異なります。

新築・中古の税務上の違い

新築物件と中古物件には様々な面で違いがあります。
これは、その物件に居住する場合はもちろんですが、その物件に投資する場合も同様です。
新築と中古の違いは、例えば税金の面に分かりやすく現れます。
今回は、この新築物件と中古物件の税務上の違いについて取り上げていきたいと思います。

 

不動産における減価償却

時計と金貨の画像

減価償却とは、主として有形の固定資産に関して、使用度や時間の経過によって次第に価値が減少することを勘案して、その価値の減少分を費用として損失計上する経理処理のことを言います。
有形の固定資産であれば原則的には全てのものが原価償却の対象となります。

 

ただし、有形の固定資産の中でも永久資産に分類されるものはその限りではありません。
永久資産の代表的なものとしては「土地」が挙げられます。
ちなみに、土地を始めとする減価償却が不可能な資産のことを非償却資産と言います。
減価償却は、当然ながら不動産においても適用されます。

 

ただし、土地が永久資産であることから、減価償却できるのは建物の劣化部分だけということになります。
従って、不動産における減価償却とは、建物の価値が減少した部分の損失計上のことを指すという結論になります。

 

減価償却期間の違い

電卓の上に立つ人形

新築物件と中古物件では、減価償却に関して大きく異なる点があります。
それが、減価償却期間です。

 

減価償却期間とは、文字通り特定の固定資産に対して減価償却を行える期間のことを指しています。
そして、この減価償却期間は不動産の場合、物件の耐用年数を基にして算出されます。
従って、必然的に新築物件の方が中古物件よりも減価償却期間が長いということになります。
もちろん例外のケースもありますが、大まかに言えばこの様なことになります。

 

しかし、ここで1つ注意しなければならないことがあります。
それは、減価償却期間が長いからと言って、その分減価償却できる額が多いわけではないということです。
中古物件の場合、当然ながら新築物件と比べて耐用年数が短いというケースがほとんどになります。
そしてそうすると、必然的に減価償却を短期間で行わなければならなくなり、これに伴って年間の償却費が大きくなるのです。
例えば購入価格が5000万円の物件であれば、新築と中古で減価償却費に以下のような違いが生じます。

 

新築物件
・木造(法定耐用年数22年)→5,000万円÷22年=227万円
・軽量鉄骨(法定耐用年数27年)→5,000万円÷27年=185万円
・RC(法定耐用年数47年)→5,000万円÷47年=106万円

 

中古物件
・木造(耐用年数見積り14年)→5,000万円÷14年=357万円
・軽量鉄骨(耐用年数見積り10年)→5,000万円÷10年=500万円
・RC(耐用年数見積り30年)→5,000万円÷30年=160万円

 

これを見れば、年間に減価償却として計上できる額が中古物件の場合の方が大きいことが一目瞭然です。
そしてこのことを言い換えれば、中古物件の方が年間に計上できる経費の額が大きいということになります。
つまり、税務上で言えば新築物件よりも中古物件の方が大きなメリットがあるのです。