入居率と入居者
不動産投資を行う投資家は常にいくつかの要素に頭を悩ませることになります。
中でも重要な要素となるのが、入居率と入居者の問題です。
この2つの要素は、その投資の成否に非常に大きな影響を与えることになります。
そこで今回は、この入居率と入居者という2つのテーマについて取り上げていきたいと思います。
入居率の重要性
「入居率」という言葉は、おそらくは不動産投資に関心のない方にとっては全く馴染みのない言葉だと思います。
入居率とは、所有している不動産の戸数に対する入居者の割合のことを指す言葉です。
具体的に言うと、例えばある投資家がワンルームを2戸所有していて、その内の1戸に入居者が居て一方のワンルームは空室だとします。
そうすると、全体の2分の1が空室ということになるので、入居率は50%ということになります。
この説明を見れば一目瞭然だと思いますが、入居率は投資家にとっては高ければ高いほど望ましいということになります。
入居率が高ければ、それだけ入居者が増えてその分家賃収入も増えるわけですから、高いに越したことは無いわけです。
特に、投資している戸数が少ない場合には入居率が低いと家賃収入の落ち込みが非常に大きなものとなってしまいます。
あるいは、ワンルーム投資の場合には入居率は0%か100%かのどちらかになるため、空室になれば家賃収入が全く失われることになります。
ちなみに、入居率とは反対に不動産の戸数に対する空室の割合のことを「空室率」と言います。
当然ながら、空室率が高ければ高いほど収益が落ち込むことになります。
従って、不動産投資を行う際には入居率をできるだけ上げて、空室率をできるだけ下げることが成功へのカギになります。
入居率が高い物件の特徴
入居率が高い物件にはある程度共通した特徴があります。
ここでその内のいくつかを紹介します。
- 立地条件が良い
- 利便性が高い
- 家賃が相場と比べて安い
- 設備が整っている
- 間取りが入居者のニーズに合っている
- 入居者サービスが充実している
これらの特徴を備えている物件であれば、ほとんどの場合高い入居率を維持することができます。
入居者によるリスク
不動産投資で収益を得るためには、当然ながら入居者を確保しなければなりません。
しかし、入居者というのは必ずしも単なる貸借人であるということはありません。
入居者を確保するということは、その反面で様々な入居者トラブルに巻き込まれるリスクを背負うということでもあるのです。
代表的な入居者トラブルには、
「騒音」
「家賃の滞納」
「住人同士の争い」
などがあります。
また、決して一般的とは言えないものの重大な被害をもたらす危険のあるリスクとして、暴力団を始めとした反社会勢力の入居という問題があります。
もちろん、反社会勢力に該当する人間が入居したとしても必ずトラブルに発展するというわけではありませんが、一度トラブルが発生するとほぼ間違いなく大きな問題に発展してしまいます。
例えば、
「物件のイメージの悪化」
「隣人の退去」
「抗争に巻き込まれる危険」
といったことです。
もしもこうしたことが起こった場合、その物件のオーナーが深刻な被害を受けることは間違いありません。
しかし、だからと言って「反社会勢力だから」という理由で退去を命じられるかと言えば、決して簡単ではありません。
と言うのも、日本の借地借家法においては貸借人の権利が厳格に保護されているため、たとえ反社会勢力であってもそう簡単に退去させることはできないのです。
ただ、入居の際に契約書に「貸借人が反社会勢力と判明した場合には契約を解除する」という文言を盛り込んでおけば、具体的なトラブルが発生する前に退去を命じることができます。